2019.09.16
シードパール
私たち日本人には非常に馴染み深いパール。
現代の大粒なものと違い、アンティークジュエリーの世界ではシードパールという小さな小さなパールを使ったものが主流です。
1920年代に日本でミキモトの養殖真珠が登場して以来、大粒の物が瞬く間に普及しましたが、それ以前は天然パールを世界中から集めていました。
パールは自然の産物ゆえ、綺麗な球状になるものや、まして大粒のものは稀です。
貝の種類や芯によってそれぞれに変わってきます。
そんな中で限りなく丸く、色と数を揃えることは大変なことでした。
ですから、20世紀初頭までのパールは私たちの想像以上に高級品であったのです。
けし粒ほどのパールに穴を開け、穴を開けた白蝶貝の土台に編み込んでいく、本当にデリケートな作業は目を見張ります。
繊細なため、完全な状態で残っているものは少なくなってきました。
大切に伝えていきたい歴史のひとつです。